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タクシーの賞与(ボーナス)の仕組み|AB型の積立と支給の実態

「タクシーにもボーナスはあるの?」という疑問はよく聞きます。答えはイエス。ただし一般企業のボーナスとは仕組みが大きく違い、多くは“自分の売上の積立”が原資です。この記事では、A型・B型・AB型それぞれの賞与の考え方、積立の計算例、支給のタイミング、そして求人票の『賞与あり』をどう読むかまで、現役ドライバー目線で解説します。

タクシーの賞与は「自分の売上の積立」が基本

まず押さえておきたいのは、タクシーの賞与は一般企業のボーナスとは性格が違うということです。会社の業績や上司の評価で額が決まるのではなく、多くのタクシー会社(とくにAB型賃金)では毎月の売上の一部を積み立て、年2〜3回まとめて支給する仕組みになっています。

言いかえれば、賞与の原資は「自分が稼いだ営収」。毎月の給与から少しずつ天引きして貯めておき、それを賞与としてまとめて払い戻す——そんなイメージが実態に近いです。だからこそ、たくさん走って売り上げた人ほど賞与も大きくなります。

給与体系別に見る賞与の考え方

タクシーの給与体系は大きくA型・B型・AB型に分かれ、賞与の扱いもそれぞれ違います。

賞与の考え方毎月の手取り
A型固定給+歩合。賞与は会社規定で支給されることが多い安定寄り
B型完全歩合。積立がなく、賞与は小さいかなしが基本厚い
AB型売上の一部を積立→年2〜3回の賞与でまとめて支給やや薄い

ポイントは、賞与が大きい会社ほど、毎月の手取りは薄くなる傾向があること。積み立てた分だけ月々から差し引かれているのですから当然です。「賞与年3回!」という求人が必ずしも得とは限らない理由がここにあります。

積立の計算例で仕組みを理解する

具体的な数字でイメージしてみましょう。歩率60%・売上(税抜)60万円で、そのうち10%を賞与積立に回すAB型の会社の場合です。

  • 毎月の歩合給:60万円 ×(60% − 10%)= 30万円
  • 毎月の積立:60万円 × 10% = 6万円
  • この積立が年間で貯まり、賞与として支給される

この場合、毎月コンスタントに60万円を売り上げれば、年間で積み立てられるのは「6万円 × 12か月=72万円」規模。これが年2〜3回に分けて賞与として戻ってくるイメージです(実際は会社の計算方法や控除で前後します)。積立率が高いほど賞与は大きくなりますが、そのぶん毎月の手取りは減ります。

大事なのは、年間トータルで見ること。月々の手取りだけを比べると積立型は少なく見えますが、賞与を足して1年で均せば、完全歩合と大きくは変わりません。求人を比べるときは「月いくら」ではなく「年いくら」で考えましょう。

賞与のタイミングと注意点

賞与の支給は年2〜3回が一般的で、夏・冬・(会社によっては)決算期などに支給されます。積立型の賞与ならではの注意点も知っておきましょう。

  • 入社直後は積立期間が短いため、最初の賞与は少なめになりがち
  • 賞与にも社会保険料・所得税がかかる(額面のまま全額は受け取れない)
  • 途中退職すると、積立分の精算方法は会社の規定によって異なる

とくに退職時の扱いは会社ごとに差があるため、転職を考えるときは「積立分がどう精算されるか」も確認しておくと安心です。

なぜタクシーは積立型の賞与が多いのか

「わざわざ自分の売上を積み立てるくらいなら、毎月全部もらえたほうがいい」と感じる人もいるでしょう。それでも積立型が広く使われているのには理由があります。ひとつは収入の平準化です。タクシーの売上は季節や景気で波があり、閑散期は落ち込みがち。繁忙期に積み立てておけば、稼ぎの少ない時期も賞与でならすことができ、家計が安定します。

もうひとつはまとまった資金づくり。毎月手元にあるとつい使ってしまうお金も、賞与という形でまとまれば、貯蓄や大きな支出に回しやすくなります。強制的な天引き貯金として機能するわけです。会社にとっても、賞与を軸に人材の定着をはかる意味があります。こうした事情から、AB型の積立賞与はタクシー業界で定番の仕組みになっています。

求人票の「賞与あり」をどう読むか

求人票で「賞与年3回」「賞与あり」と書かれていても、その中身は大きく2タイプに分かれます。

  • 積立型:自分の売上の一部が原資。頑張るほど増えるが毎月の手取りは薄くなる
  • 業績・寸志型:会社の利益や評価で支給。金額は会社しだいで、少額のことも

多くのタクシー会社は前者の積立型です。求人票の見た目の「賞与回数」に惑わされず、歩率・積立率・毎月の手取りをセットで見るのがコツ。同じ年収でも、毎月厚く受け取りたいのか、賞与でまとめて受け取りたいのかは人によって好みが分かれます。給料全体の仕組みは 給料・歩合の仕組みガイドで詳しく解説しています。

賞与を増やす一番の近道は営収アップ

積立型の賞与は売上に比例します。つまり、賞与を増やす一番の近道は、日々の営収を上げることにほかなりません。テクニックは特別なものではなく、稼ぐ人が当たり前にやっていることの積み重ねです。

  • 実車率を上げて、同じ稼働時間でも売上を伸ばす
  • 足切りを必ず超える乗務設計にする
  • 稼げる時間帯・エリアを自分のデータで押さえる

こうした積み重ねが、毎月の手取りと賞与の両方を底上げします。目標の営収から逆算したいときは、シミュレーターを使うと道筋がはっきりします。

手取りと賞与を数字で把握する

→ 売上目標シミュレーターで必要な営収を逆算する
毎月の手取りの目安は 歩合・手取り計算機で。あわせて 手取りはいくら? 社会保険・年金の基礎も読むと、額面から手元に残るまでの流れがつかめます。日々の売上を記録して振り返るなら 乗務日報アプリが役立ちます。

まとめ

  • タクシーの賞与(とくにAB型)は、自分の売上を積み立てて年数回まとめて受け取るのが基本
  • 賞与が大きい会社ほど、毎月の手取りは薄くなる傾向がある
  • 賞与にも社会保険料・税がかかる。年間トータルで比べるのが正解
  • 求人票は回数だけでなく、積立型か業績型か、歩率・積立率まで確認
  • 賞与を増やす近道は営収アップ。実車率・足切り・エリアの積み重ねが効く

よくある質問

タクシーの賞与は普通の会社のボーナスと同じですか?
仕組みが違います。一般企業の賞与は会社の業績や評価で決まりますが、タクシー(とくにAB型)の賞与は『自分の売上の一部を毎月積み立て、年数回まとめて受け取る』のが基本です。つまり原資は自分の営収。頑張って売り上げた人ほど賞与も大きくなり、業績連動というより“天引き貯金の払い戻し”に近い性格を持ちます。
賞与はいくらくらいもらえますか?
会社の積立率と自分の売上しだいです。売上の10%前後を積み立てる会社なら、月60万円の売上を続けた人は年間で数十万円規模の賞与になる計算です。積立率が高いほど賞与は大きくなりますが、その分だけ毎月の手取りは薄くなります。求人票の『賞与年3回』などの回数だけでなく、積立の考え方まで見るのが大切です。
賞与ありと賞与なし、どちらの会社が得ですか?
年収の総額が同じなら、賞与あり(積立型)は毎月薄く年数回まとまって受け取り、賞与なし(完全歩合)は毎月厚く受け取る、という違いです。どちらが得というより、家計管理のクセに合うかで選ぶのが現実的。まとまったお金を貯めるのが苦手な人は積立型、毎月の資金繰りを厚くしたい人は完全歩合が向きます。
賞与を増やすにはどうすればいいですか?
積立型の賞与は売上に比例するため、結局は営収を上げることが最短ルートです。実車率を上げる、足切りを確実に超える、稼げる時間帯・エリアを押さえる——日々の営収アップがそのまま賞与アップにつながります。会社を選ぶ段階なら、積立率と歩率のバランスも確認しましょう。
ライドシェアやアルバイトでも賞与はありますか?
個人事業として働くライドシェアには、基本的に賞与という概念はありません。報酬はそのつど支払われる形が中心です。タクシー会社にアルバイト・契約社員として雇用される場合は、賞与の有無や積立の扱いが正社員と異なることがあるため、雇用形態ごとに求人票で確認しましょう。

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